銀行で発行された専用の用紙に金額などの必要事項が記入された有価証券である「小切手」。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、アメリカやカナダなどではバイト代が小切手で支払われることもあるなど、生活に身近な存在として知られています。
小切手に記載された金額を自分の口座に入金するには、銀行もしくはATMで手続きを行うのが一般的です。しかし、時間をかけて銀行に行くのも、長いATMの列に並ぶのも、できれば避けたいですよね。実は小切手はスマホを使ってオンラインで入金できるのをご存じですか?本記事で紹介するのは、小切手をオンラインで入金する方法です。
・そもそも小切手とは?
・小切手を入金する3つの方法
・スマホで小切手をオンライン入金する方法
・スマホで小切手をオンライン入金するメリット
・スマホで小切手をオンライン入金するときの注意点
そもそも小切手とは?
小切手とは金額の支払いを保証する有価証券のことです。多額の現金をやり取りする際、現金ではなく小切手1枚で金銭の授受ができることから、支払い手段として多く用いられてきました。小切手を現金化することを「入金する(小切手を使って相手の口座からお金を引き出し、受取人の口座に入金する)」といいます。
小切手の歴史は古く、14世紀のイタリアで始まったといわれています。その後ヨーロッパ大陸に広がり、18世紀には日本にも広がり始めました。
小切手の振出人(銀行印を押して相手に渡す人)になるには、当座口座を開設して銀行との間で当座勘定取引契約を結ぶ必要があります。当座勘定取引契約とは小切手の支払委託契約と金銭消費寄託契約の複合された契約で、小切手だけでなく手形にも適用されます。
小切手と手形は似ていますが、小切手がいつでも現金化できるのに対し、手形は記載された日以降でないと現金化できません。お金を支払う側からすると、小切手は当座口座にお金がないと発行できませんが、手形はお金が入ってくるタイミングを見越した発行が可能です。
小切手を入金する3つの方法
小切手を現金化する方法は「オンラインで入金する」「銀行に持って行く」「ATMで入金する」の3つです。銀行に持って行く方法が一般的に知られていますが、実は小切手はオンラインやATMでも現金化できます。
オンラインで入金する方法は、銀行のアプリを使うものです。銀行によって多少呼び名が異なりますが、一般的にはモバイルデポジットと呼ばれています。
もちろん小切手を銀行に持って行くことでも入金は可能です。基本的には小切手に記載された銀行に持っていきますが、遠方などの理由で行けない場合は手数料を払うことで他銀行でも現金化できます。
最後に紹介するのは、ATMで処理する方法。やり方としては、暗証番号を入力してCheckを選び、小切手を読み込ませます。これで数日後には銀行に小切手の金額が反映されているはずです。
スマホで小切手をオンライン入金する方法
小切手をオンライン入金するのに必要なのは、銀行のアプリです。日本の銀行なら三井住友銀行、アメリカやカナダの銀行であれば、ほとんどの銀行が対応しています。銀行にもATMにも行かず入金ができるため大変便利です。
一般的に小切手のオンライン入金のための特別なアプリはありません。銀行の公式アプリで対応できるものがほとんどです。
アプリが用意できたら小切手の後ろ「Endorsement」のところにサインをしましょう。「For deposit only」と付け加えることでサイン名義の口座にしか入金できなくなるため、防犯対策になります。
続いて銀行のアプリに入り「DEPOSIT(入金)」をタップ。続いて小切手の写真を表と裏で撮影します。あとは内容を確認して完了です。内容が入金されるのを待ちましょう。入金されたお金を引き出すには5営業日ほどかかります。
スマホで小切手をオンライン入金するメリット
現代人にとってスマホは何よりも身近なものだといえるでしょう。そんなスマホで小切手の入金ができれば、銀行やATMに行く時間を節約できます。ATMの長い列に並ばなくてよいのは素晴らしいことです。
安全性も小切手をオンラインで入金するメリットの1つです。例えば小切手を持って銀行へ行くと、いつ誰にその様子を見られているか分かりません。しかし自宅でスマホで処理を行えばそういった危険も避けられます。銀行のアプリは業界標準の基準で暗号化されていますので、安心して使えるでしょう。
また、オンライン入金はシステムによって行われるため、人為的なミスを最小限にできます。銀行員がミスをする可能性は低いと考えられますが、人間なので100%ミスしないとは言えません。人との接触を最小限にできる点も魅力的。感染症予防の観点から、人との接触を避けられ、誰が触れたかわからないATMを操作するのを避けられるのは、大きなメリットです。
さらに、オンラインなら、世界中どこからでも小切手の入金ができます。帰国を待たずに入金申請ができますので、より早くお金を受け取れるようになり、口座の利息にもよい影響を与えるでしょう。
スマホで小切手をオンライン入金するときの注意点
アプリで小切手のオンライン入金が完了した場合でも、実際の小切手は2週間ほど取っておくようにしましょう。万が一手続きがスムーズにいかなかった場合に使うことになるからです。
また、アプリで小切手を入金した場合は、取引回数としてカウントされます。例えば銀行で「3回までの取引は無料」などと定められている場合、小切手の入金をすると無料取引回数が1回減ってしまいますので注意してください。
一般的に銀行アプリは24時間使用できますが、実際の処理は営業時間内に行われます。例えば夜中の12時にアプリで入金を申請したとしても実際の処理が行われるのは翌営業日以降です。
まとめ
Morning ConsultがAmerican Bankers Associationのために行った調査によると、アメリカ人の3分の2が銀行アプリを使用して取引をしているそうです。小切手は日本ではあまり使われていませんが、海外で金銭のやり取りをするときのために、概要を理解しておいて損はないでしょう。近年は銀行の公式アプリを使ったオンライン入金が主流となっています。やり方さえ確認してしまえば決して難しくありませんので、ぜひ本記事を参考に、自宅で簡単に小切手の入金を行ってみてください。